【ミラーレスカメラ 動画撮影 基礎】ミラーレスカメラで動画撮影をする基礎
【ミラーレスカメラ 動画撮影 基礎】ミラーレスカメラで動画撮影をする基礎
こんにちは、宇野です。
私は現在、映像クリエイターとして企業や個人のブランディングや動画コンテンツ、WEB CMを創っています。また、ワークショップや講座、企業研修で講師として動画撮影や動画編集を教えています。
今日からこのYouTubeチャンネルで動画制作のことを中心にクリエイティブに関する情報をお届けしていきます。
一本目となるこの動画では【動画撮影の基礎】というテーマで、これからミラーレスカメラを使って動画撮影を始める初心者でもこの動画1本だけを見て学習すれば動画撮影の基礎を理解でき、プロと比較しても遜色ない動画を撮ることができるように具体的に解説していきます。
突然ですが質問です。
AとB、この2つの映像はスマホのカメラで撮影した映像とミラーレスカメラで撮影した映像です。
どっちがミラーレスカメラで撮影した映像だと思いますか?
少しだけ考えてみてください。
はい、いかがでしたでしょうか?
答えは、Aがスマホのカメラで撮影した映像です。
しかも、2017年に発売されたiPhone8で普通のカメラアプリでで撮影した映像です。
そして、Bがミラーレスカメラ、昨年発売されたLUMIX S5Ⅱと言うカメラで撮影した映像です。
正解した方も不正解だった方もAのスマホで撮影した映像の方が極端に品質が悪いと感じた方はいないのではないでしょうか?
つまり、スマホでも高品質な映像を撮ることができるので、ミラーレスで撮った映像はスマホよりも品質が良い!というのは間違いだということです。
最新のスマホで撮影した映像は、もっと高品質に撮ることができるので、プロでもパッと見ただけでは違いが分からない程スマホのカメラは進化しています。
このことから映像の品質はスマホもミラーレスも大きな差はないことが分かると思います。
では、利便性についてはどうなのでしょうか?
スマホは普段から持ち歩き、バッグやポケットから取り出して、基本的に細かい設定をする必要はなくRECを押せば撮影を始められるのに対して、ミラーレスは普段持ち歩くのが嫌な程荷物になりますし、バッグからカメラを取り出したら天候に合わせた設定をしてからRECを押して撮影をしなければなりません。
更に、レンズを複数台用意したり、三脚やジンバル、照明、マイクなどの機材を普段から持ち歩くことは難しいです。
映像の品質、利便性からミラーレスよりもスマホのカメラは最強だと思いませんか?
では、なぜ、わざわざ数十万の投資をしてミラーレスを買う人がいるのでしょうか?
スマホのカメラは、癖がない無難な映像を撮ることができます。
一方でミラーレスカメラは、設定を変えたりレンズを交換したり、フィルターをつけることで癖のある映像表現ができます。
例えば、背景をぼかすことで立体感を出したり、フィルターを取り付けてフィルムっぽい質感にしたり、独自のカラーにして映画っぽくしたりすることもできます。
スマホは、こういった癖を出すのは難しくなります。
これがスマホのカメラとミラーレスの大きな違いです。
この動画で解説する動画撮影の基礎を理解できていない状態で動画撮影を始めてしまうと
- スマホと大して変わらない映像しか撮れない
- 設定が分からなくて動きがカクカクしたり、白飛びや黒つぶれした映像になってしまう
このようなことになりかねません。
しかし、安心してください。
この動画を見れば、これからミラーレスカメラを使って動画撮影を始める初心者でもプロと比較しても遜色ない映像を撮る知識が身に付きます。
聞きなれない言葉が出てきて難しく感じる部分もあるかと思いますが、繰り返し見ることで理解度も高くなりますので、チャンネル登録して何度も見ていただきたいと思っています。
それでは動画撮影の基礎として
- 良い動画とは…
- 動画撮影をする為のカメラ設定
- 動画撮影の基本姿勢
- 構図の基礎
- カメラワークの基礎
これらを具体的に解説していきます。
1:良い動画とは…
本題に入る前にとても大切なことなので、少しだけ考えていただきたいのですが…
あなたが思う「良い動画」ってどんな動画でしょうか?
少しだけ考えてみてください。
はい、いかがでしょうか?
- 格好良い動画
- 映りが綺麗な動画
- オシャレな動画
- 面白い動画
- 感動する動画
- 共感できる動画
- メッセージが伝わる動画
- 気づきがある動画
- 役に立つ動画
- 勉強になる動画
- ストーリーがある動画
などいろいろな答えを出したと思います。
人それぞれ「良い動画」というのは違うということは、全ての人にとって「良い」と思われる動画を作るのは不可能だということを、最初に知っておかなければなりません。
人それぞれ価値観が違うので、全ての人に「良い動画」と思われなくて当然なのです。
ただ、私は「良い動画の条件」が1つだけあると考えています。
それは…
動画にコンセプトがあることです。
このコンセプトも複雑で奥が深く人によって表現方法も様々なのですが、私は動画のコンセプトとは「誰にどんなメッセージをどのような映像表現で届けるのかを明確にしたモノ」と定義しています。
- ターゲット
- 伝えたいメッセージ
- 映像表現
この3つを決めた上で作られた動画が「良い動画」と私個人は考えていて、仕事で動画制作をする時もこの動画のようにYouTubeにアップする個人的な動画を作る時も最初に必ずコンセプトを決めるようにしています。
私にとっての良い動画は「コンセプトがある動画」のように、あなたにとって「良い動画」とはどんな動画なのかを最初に決めておくと良いと思います。
それでは、本題の動画撮影の基礎を始めていきます。
2:動画撮影をする為のカメラ設定
動画撮影と聞くと、、、
- ただRECを押すだけで撮れるんだから練習は必要ない
- 三脚に固定してRECを押せば完了
- 編集で何とかなるでしょ…
という方がいるのですが、そんな浅いことではありません。
動画撮影は何も考えずに、ただRECを押して好き勝手に撮るのではなく、最終的にどんな動画にするのかを理解した上で、それを作る為には、どんな撮影機材を使い、どんな設定にして、どんな構図でどんなカメラワークで撮影すれば、高品質で最も伝わる動画になるのかを知った上で撮影をする必要があります。
ですので、動画撮影は「知識」だけではなく「技術」を身につけることが大切なのです。
そこでまず…
- フレームレート
- 解像度とBit数
- アスペクト比
- シャッタースピード
- 絞り
- ISO感度
- ホワイトバランス
- フォーカス
- Log撮影
これらを学習していきましょう。
これらを理解できれば、瞬時に最適な映像を撮る為の設定ができます。
もしこれらを理解できていないまま動画撮影をしてしまうと
- 動きがカクカクした映像になってしまう
- 光が入りすぎて真っ白になる「白飛び」
- 本来白いモノがオレンジや青っぽくなる
- ピントが外れたボヤけた動画になる
これらを引き起こす原因になり、編集でどうすることもできない、使い物にならない動画になってしまいますので、しっかりと覚えるようにしてください。
それでは、始めていきます。
1:フレームレート
まず最初に覚えなければならないのが、フレームレートです。
動画は動いて見えますが…実は、パラパラ漫画のように「静止画像」を高速で切り替えて動きを表現しています。
この静止画像のことをフレームと呼びます。
そして、1秒間に何枚のフレームを使って動きを表現しているのか…というのがフレームレートです。
フレームレートはframes per secondの頭文字を取ってfpsと表記します。
1秒間に24枚のフレームを使って動きを表現していれば24fps、1秒間に30枚のフレームを使って動きを表現していれば30fps、1秒間に60枚のフレームを使って動きを表現していれば60fpsとなります。
動画は1秒間に24枚、30枚、60枚などのフレームを高速で切り替えて動きを表現するので、特定のフレームを指定するのが大変です。
例えば…
24fpsの場合、先頭から5秒後のフレームは24×5で120フレーム目になります。
30fpsの場合、先頭から5秒後のフレームは30×5で150フレーム目になります。
これが10分後、1時間後とかになったら数値が大変な桁数になってしまいます。
そこで、動画制作で特定のフレームを指定する場合はタイムコードというものを利用します。
このタイムコードは、時間を利用して特定のフレームを指定する方法です。
例えば…
タイムコードで01;15;11;23と表記さている場合は…先頭から1時間15分11秒23フレーム目のフレームをさしている…という意味になります。
そして、24fpsの最後のフレームは24ですので01;15;11;23の次のフレームは01;15;12;00というように、1秒繰り上がることになります。
30fpsの場合は、最後のフレームは30ですので01;15;11;23の次のフレームは01;15;11;24というようになり…01;15;11;29の次のフレームが01;15;12;00で1秒繰り上がることになります。
よく、滑らかな映像=高画質・高品質だと思い込んでいる方がいるのですが…これは正しくありません。
人の目は、高速で動くモノを見るとブレて見えます。
24fpsや30fpsであれば、このブレを表現できるのですが…60fpsや120fpsになると、ブレが表現されず滑らかになります。
通常はブレて見えているモノがブレがなく滑らかになると違和感を感じるのです。
ですので、滑らかな映像=高画質・高品質とは限らないと覚えておいてください。
動画制作でのフレームレートは、動画を撮影する時にカメラで設定する「撮影フレームレート」と編集する時に編集ソフトで設定する「ベースフレームレート」があります。
この2つのフレームレートをそれぞれ解説していきます。
1-1:ベースフレームレート
まずは、編集する時に編集ソフトで設定するベースフレームレートについて解説します。
動画を編集し最終的にファイルとして書き出す時のフレームレートがベースフレームレートです。
これは幾つにすれば良いのかというと…どのような動画にしたいのかで変わってきます。
例えば…現代の映画は、基本的に24fpsで作られています。映画のようなシネマティックな映像表現をしたい場合は24fpsにします。
テレビ番組は基本的に30fpsで作られています。最も人が見慣れている動画メディアですので、見やすいと動画にしたい場合は30fpsにします。
ゲームやアニメは、60fpsで作られています。細かく滑らかな動画にしたい場合は60fpsにします。
映像制作を行うときは、まず最終的に幾つのフレームレートで完成させるのかを決めます。
なので「ベースフレームレートを決めてから撮影を行う」と覚えておいてください。
1-2:撮影フレームレート
次に、動画を撮影する時にカメラで設定する撮影フレームレートについて解説します。
1秒間に何枚のフレームで動きを表現した映像を撮るのか…というのが撮影フレームレートです。
これは、カメラで設定します。
適正な撮影フレームレートは、ベースフレームレートと同じフレームレートです。
ベースフレームレートを24fpsに決めたら24fpsで撮影し、ベースフレームレートを30fpsに決めたら30fpsで撮影するのが適正になります。
これが基本なのですが、どんな時でもベースフレームレートと同じ撮影フレームレートにすれば良い…ということではありません。
スローモーションを適用するカットでは、撮影フレームレートを上げる必要があります。
例えば、ベースフレームレートを24fpsに決め24fpsで撮影した場合…通常であれば何も問題はありません。
しかし、このカットをスローにする場合は注意しなければなりません。
通常1秒間に24枚のフレームが必要なのですが、50%のスローにする場合は48枚のフレームが必要になります。
24fpsで撮影してしまうと、フレームが24枚足りなくなってしまい、同じフレームを繰り返し使うことになります。
同じフレームを使うということは、動きがないフレームを使うということですので、カクカクした映像になってしまいます。
なので、スローモーションを適用するカットでは撮影フレームレートを上げる必要があります。
ベースフレームレートが24fpsで30fpsで撮影すると、24÷30で0.8、つまり80%の速度が最適のスピードになります。
ベースフレームレートが24fpsで60fpsで撮影すると、24÷60で0.4、つまり40%の速度が最適のスピードになります。
通常時はベースフレームレートと同じ撮影フレームレートにして、スローにしたいカットは撮影フレームレートを上げる…これを覚えておくことで映像の品質は大きく変わってきます。
ここまでを説明を聞いた方の中には「毎回カットごとに撮影フレームレートを設定するのが面倒だから最初から60fpsや120fpsなど、高いフレームレートで撮影しよう!」と思うかもしれません。
自分用の動画であれば、それでも良いのですが…一応、正確な知識を頭の中に入れておいてください。
例えば…ベースフレームレートを24fpsに決め撮影フレームレートを30fpsにするとします。
本来1秒間に24枚のフレームが必要なのに対して30枚のフレームがあるので6フレーム余ることになります。
24枚しか入らない場所に無理やり30フレーム入れることはできないので、編集ソフトが自動で所々スキップして24フレームに調整します。
これによって、若干ですが映像が飛び、ワープしたような違和感のある動画になってしまいます。
また、ベースフレームレートを24fpsに決め60fpsで撮影した場合も同じです。
本来1秒間に24枚のフレームが必要なのに対して60枚のフレームがあるので36フレーム余ることになります。
24枚しか入らない場所に無理やり60フレーム入れることはできないので、編集ソフトが自動で所々スキップし24フレームに調整します。
60fpsになると、フレーム数が多くスキップされる間隔が細かいので肉眼ではほとんど分かりませんが、飛ぶ箇所ができるので若干ですが違和感を感じる映像になってしまいます。
より、品質にこだわりたいのであれば、通常時はベースフレームレートと同じ撮影フレームレートで撮影をして、スローにしたいカットは撮影フレームレートを上げて撮影をするこれを絶対に忘れないようにしてください。
2:解像度とBit数
次に、解像度について簡単に解説します。
よく4Kとか、フルハイビジョンという言葉を聞くと思いますが、これが解像度です。
解像度とは動画の密度のことです。
1インチにどれだけピクセルがあるのかを表しています。
解像度が高いということは、1インチに含まれているピクセルの数が多いという意味です。
それだけ細かい部分まで表現された綺麗で滑らかな映像だということになります。
FHDと言われるフルハイビジョン映像の解像度は1920×1080で207万3600画素です。これを1080Pとも言います。
そして4KはUHD-4KとDCI-4Kがあるのでですが、UHD-4Kと言われるのがウルトラハイビジョンと言われる一般的な4Kのことです。
この解像度は3840×2160で829万4400画素です。これを2160Pとも言います。
DCI-4Kはデジタル シネマ イニシアチブのことでハリウッド映画で定められた4Kのことです。
解像度は4096×2160で884万7360画素です。
映像制作を行う時の解像度は、動画を撮影する時にカメラで設定する撮影解像度と編集する時に編集ソフトで設定するベース解像度があります。
映像制作を行う時はフレームレート同様に、まずは最終的に幾つの解像度で完成させるのかというベース解像度を決めます。
そして、撮影解像度はベース解像度と同じ、もしくはそれ以上に設定して撮影します。
例えば…ベース解像度をフルハイビジョンにして、撮影解像度もフルハイビジョンにすると、サイズがピッタリと合います。
この状態であれば問題はありません。
次は、ベース解像度をフルハイビジョンにして、撮影解像度をウルトラハイビジョンにします。
すると、撮影した映像がアップされて表示されます。
この場合は、撮影した映像を50%縮小すればサイズを合わせることができます。
元の状態から縮小する分には、映像が荒くなる心配はないのでこれも問題ありません。
むしろ、50%まではサイズを自由にできるので、その分、上下左右の位置も調整することができるのでベース解像度よりも撮影解像度は大きくしておくことをお勧めします。
では、ベース解像度よりも撮影解像度を小さくした場合はどうなるでしょうか?
ベース解像度をウルトラハイビジョンにして、撮影解像度をフルハイビジョンにします。
すると、撮影した映像が小さく表示され上下左右が真っ黒になります。このまま書き出すと、真っ黒になっている部分も書き出されてしまいますので、撮影した映像を150%に拡大しなければなりません。
元の状態から拡大すればするほど、映像は荒くなっていきます。
ですので、撮影解像度はベース解像度よりも小さくしてはいけません。
これは凄く大切になりますので、覚えておいてください。
では、フルハイビジョンとウルトラハイビジョンでは、どのくらい見た目が変わるのでしょうか?
実は…解像度が高いと綺麗な映像だということは間違いでは無いのですが、大きなモニターでフルハイビジョンとウルトラハイビジョンの映像を比較して見ると違いが分かる程度なのです。
スマホやパソコンの画面では、違いが分からないというのが本当のところです。
また、映像の品質は解像度だけで決まるという訳ではありません。
bit数によって色を表現できる数が違ってきます。
デジタルデータは、光の三原色、RGB(レッド、グリーン、ブルー)で構成されます。
例えば…1bitは、RGBのそれぞれが2色ずつあって、RとGとBの組み合わせで2×2×2=8色になります。
2bitは、RGBのそれぞれが2の2乗なので4色ずつあって、RとGとBの組み合わせで4×4×4=64色になります。
最近のカメラは8bitか10bitが主流なのですが…
8bitは、RGBのそれぞれが2の8乗なので256色ずつあって、RとGとBの組み合わせで256×256×256=16,777,216色を表現することができます。
それに対して10bitは、RGBのそれぞれが2の10乗で1024色ずつあって、RとGとBの組み合わせで1024×1024×1024=1,073,741,824色を表現することができます。
- 8bitで撮影すると16,777,216色
- 10bitで撮影すると1,073,741,824色
流石にこの違いは、大きな画面ではなくても、スマホやパソコンの画面でも分かります。
少し小難しい話になってしまいましたが、解像度だけで綺麗な映像だということは決まらないと頭の片隅に入れておいてください。
また、4Kで撮影したり編集することのデメリットもあります。
4Kで撮影すると、データが大きいのでミラーレスのSDカードやスマホの容量がすぐにいっぱいになってしまったり、バッテリーが長持ちしなかったり…4Kで撮影した映像を編集すると、プレビューがスムーズに動かなかったり、書き出しに時間がかかったりしてしまうことがあります。
一方で、先ほども言いましたが4Kで撮影しフルハイビジョンで編集することで、解像度が高い分、編集で映像を劣化させずにズームをすることができ位置の自由度も高くなるというメリットがあります。
3:アスペクト比
次にアスペクト比について解説します。
アスペクト比とは、テレビやモニターなどの画面や映像の縦横比のことです。
基本的に、横:縦で表記します。
現在のテレビやYouTubeなどは16:9の横長のワイド画面が基本になっています。
ミラーレスで動画を撮る際も、スマホを横にして動画を撮る際もこのアスペクト比になります。
また、映画のアスペクト比は2.35:1になります。
映画は、このサイズにする為に、アナモルフィックレンズといって少し特殊なレンズを使い撮影し、横に引き伸ばしています。
4:シャッタースピード
カメラに多くの光を取り込めば明るい映像になり、光の量が少ないと暗い映像になります。
カメラのセンサーに取り込む光の量のことを露出と呼びます。
写真や動画を撮る際の露出はシャッタースピードと絞りで調整し、更にISO感度を調整することで明るさを決定します。
これらを自分で調整できていないと、光が入り過ぎて明るくなり過ぎて真っ白になってしまう白飛びや光が入らな過ぎて暗くなり過ぎてしまう黒つぶれを引き起こし、使い物にならない映像素材になってしまいます。
それでは、シャッタースピードについて解説していきます。
シャッタースピードとは、シャッターが空いている時間のことです。
シャッタースピードが遅いと、シャッターが長く開いているので多くの光がセンサーに当たり明るい映像になります。
反対にシャッタースピードが速いと、シャッターが開いている時間が短いので暗い映像になります。
写真を撮る場合は、シャッタースピードで明るさを調整するのですが…動画の場合は、基本的にシャッタースピードで明るさを調整することはありません。
動画でのシャッタースピードは、フレームレートの2倍に近い数字を分母にするのが基本です。
- 24fpsであれば、1/50秒
- 30fpsであれば、1/60秒
- 60fpsであれば、1/120秒、もしくは1/125秒
に設定します
ただし、1点だけ注意すべきことがあります。
適正なシャッタースピードにしていても、蛍光灯やネオン、モニターなどがチラつくフリッカー現象というモノが起こることがあります。
東日本の電源周波数は50Hzなのに対し西日本の電源周波数は60Hzなので、東日本で撮影する際は1/50秒や1/100秒に設定し、西日本では1/60秒、1/120秒にします。
そうすることで、フリッカーを防ぐことができます。
動画のシャッタースピードは、フレームレートの2倍に近い数字を分母にするこれだけ覚えておいてください。
5:絞り
次に絞りです。
絞りとは、レンズを通る光の量を調整する穴のことです。
レンズには複数の絞り羽があり、これを広げたり狭めたりすることで穴の大きさを変更し光の量を調整します。
この絞りの大きさを数値化したものをF値と呼びます。
F値は、F2、F2.8、F4、F8、F10と呼び、数値が小さいと絞りを開いた状態、数値が大きいと絞りを狭めている状態です。
絞りを開いた状態だと、多くの光が入るので明るい映像になり、絞りを狭めた状態だと光の量が少量になるので暗い映像になります。
また、絞りを開くとピントの合う範囲が狭くなり、ピントから外れた部分をぼかした映像にすることができます。
この状態を被写界深度が浅いと表現します。ちなみに最大に絞りを開いた状態のことを開放と呼びます。
反対に、絞りを狭めているとピントの合う範囲が広くなり、背景まではっきりとした映像になります。
この状態を被写界深度が深いと表現します。
これもシャッタースピード同様で、写真を撮る場合は、絞りで明るさを調整することがあるのですが…動画の場合は、基本的に絞りで明るさを調整することはありません。
動画での絞りは被写界深度が浅い映像にしたいのか、それとも被写界深度が深い映像にしたいのかで決めます。
被写体だけを際立たせたい場合などは絞りを開き、景色をぼかしたくない場合は絞りを狭めます。
また、レンズによって開放の数値は違うので、レンズを購入する際はご自身が撮りたい映像作品に最適な絞りのレンズを選ぶことをおすすめします。
6:ISO感度
次にISO感度です。
ISO感度とはカメラが光をとらえる能力を表す値です。
ミラーレスなどのデジタルカメラは、撮像素子に当たった光を電気信号に変えて処理します。
ISO感度を上げることは、電気信号を増幅することです。
例えば…ISO感度を2倍にすると電気信号も2倍になりますので、撮像素子に当たる光の量が半分で適正露出になります。
つまり、暗い場所でもISO感度を上げると明るくすることができるということです。
しかし、ISO感度を上げるということは電気信号を増幅させることなので、ノイズも増幅されてしまいます。
ISO感度を上げるほどノイズが増え、映像のザラつきが目立ってしまうのです。
ISO感度については、少し複雑なのですが…カメラごとにネイティブISOやデュアルベースISOというモノがあります。
ネイティブISOとは、最適な感度設定とされるISO値のことです。
センサーが最も良いパフォーマンスを発揮し、最も正確な色再現や最小限のノイズレベルで撮影できるISO値のことを指します。
簡単に言うと、ネイティブISOにすればノイズが少ない映像を撮ることができると言うことです。
ちなみに、カメラによってはデュアルベースISOといって低感度用・高感度用と2つの異なる感度設定が搭載されているモノがあります。
初期の段階では、ISO感度を上げると暗い場所でも明るく撮影できるけどノイズが目立つようになると覚えておいてください。
日差しの強い日中に屋外で撮影すると、ISO感度を一番低くしていても光が入りすぎて真っ白になる白飛びを起こすことがあます。
そんな時は、NDフィルターと言って、レンズのサングラスのようなモノをレンズに取り付けることで、白飛びを防ぐことができます。
7:ホワイトバランス
次にホワイトバランスについて解説します。
ホワイトバランスは、白いものが白く映るように色の補正を行う機能です。
これは、撮影現場の天候や光の入り方などで変わってくるので、決まった数値に設定するというわけではありません。
オートの機能もありますが、撮影中にコロコロと変わってしまう可能性もあるので、マニュアルにして固定することをおすすめします。
色温度の単位をケルビンというのですが、この値が低いと暖色系になり、高いと寒色系になります。
少し複雑なのですが…カメラのホワイトバランスをマニュアルにして、数値を上げると、赤に近くなります。
先ほどの説明から、数値を上げると寒色系になるはず…と思われるのですが…カメラの機能はホワイトバランス補正です。
例えば、ホワイトバランス補正を7000Kにすると、周辺の色温度が7000Kの周辺環境に合わせて補正されるので、色温度を上げるとカメラは赤みを足そうとします。
8:フォーカス
次にフォーカスについて解説します。
フォーカスとは、被写体にピントを合わせることです。
カメラには、自動でピントを合わせてくれるオートフォーカスと手動でピントを合わせるマニュアルフォーカスがあります。
また、オートフォーカスには主にAF-SとAF-Cがあります。
AF-Sはシャッターボタンを半押しすることで被写体に合わせて一度だけフォーカスを合わせるモードで、静止した被写体を撮影する場合に適しています。
基本的に動画では、あまり使用しません。
AF-Cは被写体が動いている場合でも常にフォーカスを合わせ続けるモードで、動く被写体を撮影する場合に適しています。
カメラメーカーや機種によっても違うのですが、最近のカメラは、オートフォーカスの機能がとても優れています。
特にSONYのカメラのオートフォーカス機能は優れていて、一瞬でピントを合わせてくれます。
マニュアルフォーカスは、レンズのフォーカスリングを回してピントを合わせます。
フォーカスリングを時計回りに回すと遠距離側にピントが合い、反時計回りに回すと近距離側にピントが合います。
オートフォーカスにすべきかマニュアルフォーカスにすべきかは、どんな動画を撮るのかで違ってきます。
動画はマニュアルフォーカスが基本だろ!という人もいますが、先ほどもお伝えしたように、最近のカメラはオートフォーカスの機能がとても優れていますので…初期の段階では、基本的にオートフォーカスのAF-Cで撮影で良いと思います。
撮影していて、ピントをあえて外した演出をしたい時などでマニュアルフォーカスを使用すると良いと思います。
ただし、動画撮影に慣れてきたら必ずマニュアルフォーカスでピントを合わせる練習もするようにしましょう。
9:Log撮影
次にLog撮影について解説します。
Log撮影とは、カラー編集をすることを前提とした撮影方法です。
通常の撮影よりもダイナミックレンジを広く撮影できるので、白飛びや黒つぶれを抑えた階調豊かな映像を撮ることができます。
ダイナミックレンジとは、明るい部分から暗い部分への再現可能な幅で露光可能な光の範囲を指します。
SONYのカメラであればS-Log、LUMIXのカメラであればV-Log、CanonのカメラであればC-LogなどLog撮影は、カメラのメーカーによって若干違った呼び方をします。
Log撮影をした映像は、コントラストが低く霞がかった眠たいカラーと表現されることが多いです。
この状態からカラーコレクションといって色を補正する作業を行い、カラーグレーディングといって色を演出する作業を行います。
Log撮影をした映像は、髪の毛にブリーチをして色を抜いた状態とイメージしてください。
髪の毛にカラーを入れる時、地毛の状態からカラー剤を載せてしまうと思い通りのカラーになりにくいですが、一度ブリーチで色を抜いてからカラー剤を乗せると思い通りのカラーになりやすいのと似ています。
通常、カメラは自動的に鮮やかな色を載せます。
元々色が入ってしまっていると思い通りのカラーにしづらくなりますので、カラー編集をする際はLog撮影をしておくことが大切になります。
3:動画撮影の基本姿勢
次に動画撮影の基本姿勢について解説します。
基本姿勢を身に付けないと、
- 意図的ではない大きな手ブレが入ってしまう
- 撮影をすると何倍も疲れてしまう
- 腰や腕など体を痛めてしまう
このようになりやすいです。
最近のカメラは、強力な手ブレ補正機能がついていたり軽量化されていて、昔よりも扱いやすくなっていますが…それでも、大きな手ブレが入ってしまったり、長時間の撮影ではカメラが重く感じることがあります。
また、変な姿勢で撮影をしていると腰を痛めてしまうことにもつながります。
動画に手ブレが入ってしまってはダメだ!と多くの方が言うのですが、これは正しくはありません。
全ての手ぶれがダメなのではなく意図的に入れる手ブレはOKだということです。
一方で、
手ブレを入れるつもりじゃないのに入ってしまった…
酔ってしまうくらいの大きな手ブレが入ってしまった…
このような意図的ではない手ブレは防がなければなりません。
基本姿勢を身につけることで、意図的ではない大きな手ブレを軽減させることができるようになります。
ここでは、
- 動画撮影の基本姿勢
- 基本的な撮影方法
これらについて解説していきます。
1:動画撮影の基本姿勢
それでは、動画撮影の基本姿勢を解説していきます。
まずは、右手でしっかりグリップを握ります。
この時、小指、薬指、中指の3本の指でしっかり握り、人差し指と親指は軽く添えるようにします。
左手でレンズやカメラボディを下から支えます。
よく脇を締めろというと、力が入りガチガチになってしまう方がいるのですが…右手の小指、薬指、中指の3本の指でしっかりグリップを握って、左手で下からレンズやカメラボディを支えれば、人体の構造上、自然と脇が締まるので意識するくらいで大丈夫です。むしろ、力を抜くくらいの感覚が良いと思います。
そして、正面でカメラを構えます。
次に下半身です。
肩幅くらいに足を開き、どちらかの足を半歩前に出し膝を軽く曲げます。
こうすることで、体感が安定して、しっかり足を踏ん張ることができます。
これが基本姿勢です。
2:基本的な撮影方法
次に基本姿勢での撮影方法を解説します。
被写体が自分の正面にいる時は、基本的に膝でカメラの高さを調整します。
膝で調整できない時は、カメラを構える高さを上げ下げしてカメラのモニターの角度を調整します。
そして、フォーカスが合っていることを確認してRECを押せば、手ぶれのない安定した映像を撮ることができます。
では、被写体が5,6歩、横に移動した場合はどうすれば良いでしょうか?
初心者は、手を動かして被写体にカメラを向けてしまいますが、これでは手ブレが入ってしまいやすくなります。
ですので、カメラは自分の正面に構えたままにして、手は動かさずに体ごと被写体の方を向きます。
そうすることで、手ブレのない安定した映像を撮ることができます。
動画は手で撮るのではなく体で撮る、特に腰で撮るという意識が大切です。
常にカメラは正面で構え、被写体に体ごと向けて撮影するようにします。
そして、足を動かさないで撮影できる範囲は、足を動かさないことが大切になります。
手ぶれの主な原因は、足を動かすことです。
足を動かすという行動は、足を持ち上げ片足重心になり地面に着地させるを繰り返します。
重心が左右に偏ることで、手ぶれが発生します。
ですので、なるべく足を動かさずに撮影をするようにします。
とは言っても、これでは、ずっと定位置で撮影しなければなりません。
そこで大切なのが重心移動です。
カメラワークを説明する動画で詳しく解説しますが…足を動かさずに、重心移動をするだけでも様々なカメラワークを取り入れることができます。
例えば…水平に動かすスライドというカメラワークをする場合は、手は固定して、しっかりと足を開き、片足重心から反対の足へ重心移動すれば安定したスライドの映像が撮れます。
この時に腰の位置が変わらないように注意しましょう。
先ほども言いましたが動画は腰で撮る意識が大切です。
腰の高さが変わると映像の上下のブレとなってしまいますので水平を維持して撮影します。
垂直方向に動かす縦のスライドは、膝の屈伸運動で撮ります。
この時もカメラは常に自分の正面で構えて手は動かさずに屈伸の動きで撮るようにします。
このように、足を動かさずに重心移動だけでも様々なカメラワークで撮影することができます。
これが手持ちで動画を撮影するときの基本となります。
4:構図の基礎
次に構図の基礎について解説します。
構図とは、被写体のサイズ、被写体を撮影するアングル、被写体を配置する位置といった構成のことです。
構図を考えずに適当に被写体を撮影してしまうと、視聴者に伝えたいことが伝わらない動画になってしまいます。
一方で、視聴者に何を伝えたいのかを明確にして、それに最適な構図で撮影することで、視聴者にメッセージを伝えることができ、動画の見た目も見違える程良くなります。
ここで解説することは基本的なことですが…今後、動画制作をしていく上でとても大切なことですので、理解できるまで繰り返し動画をみてください。
ここでは、
- 被写体サイズ
- 被写体を撮影するアングル
- 被写体を配置する位置
これらについて解説していきます。
1:被写体サイズ
まずは、被写体サイズについて解説します。
ここでは、分かりやすく「人」を撮影するときの基本的な7つのサイズを説明していきます。
1-1:ロングショット
1つ目は、ロングショットです。
ロングショットは、人よりも周囲が大半を占めているサイズになります。人はどんな所にいるのかといった環境を伝えることができるサイズです。一方で、細かい動きや表情の変化などは伝えることができないサイズとなります。
1-2:フルフィギュア
2つ目は、フルフィギュアです。
フルフィギュアは、頭から足先までの全身を映したサイズです。ロングショットほどではありませんが、場所を伝えることができ、歩いたり、走ったりなど大きな動きが伝わるサイズです。しかし、細かい動きや表情の変化を伝えることはできないサイズです。
1-3:ニーショット
3つ目は、ニーショットです。
ニーショットは、頭から膝までを映したサイズです。ロングショットやフルフィギュアほどではありませんが、場所を伝えることができ、歩いたり、走ったりなど大きな動きを伝えることができるサイズです。しかし、まだ細かい動きや表情の変化を伝えるのは難しいサイズになります。
1-4:ウエストショット
4つ目は、ウエストショットです。
ウエストショットは、頭から腰までを映したサイズです。このサイズは、背景に花や木、海、看板など分かりやすいモノを入れると場所を伝えることができます。また、歩いたり、走ったりといった大きな動きも伝わりますし、手先を動かすなどの細かい動きも伝えることができます。更に、真剣な眼差しや笑ったりといった表情の変化も伝わるので感情を伝えたいときにも使える万能的なサイズだと言えます。
1-5:バストショット
5つ目は、バストショットです。
バストショットは、頭から胸までを映したサイズです。このサイズもウエストショット同様に万能的なサイズです。分かりやすいモノをフレーム内に入れれば、場所を伝えることができ、大きな動きも細かい動きも伝えることができ、表情の変化も伝わるサイズです。
1-6:ショルダーショット
6つ目は、ショルダーショットです。
ショルダーショットは、頭から肩までを映したサイズです。このサイズになると場所や大きな動きを伝えるのは難しくなります。一方で、顔に手をかざしたり、髪の毛を触るなどの細かい動きはしっかり伝えることができます。また、表情の変化が伝わるので感情の変化を伝えたい場合に最適なサイズです。
1-7:クローズアップショット
7つ目は、クローズアップショットです。
クローズアップショットは、目や指先など一部分にグッと寄ったサイズになります。当然、場所や大きな動きを伝えることはできません。細かい動きや感情の変化は、鮮明に伝えることができます。このサイズは、ここだけに注目して欲しいという場面で使うサイズです。
以上、基本的な7つのサイズを解説しました。
2:被写体を撮影するアングル
次に被写体を撮影するアングルについて解説します。
被写体の目の位置に合わせて撮影することをアイレベルとかアイアングルと呼び、高い位置から下へ向けて撮影することをハイアングルと呼び、低い位置から上へ向けて撮影することをローアングルと呼びます。
被写体を上から撮影するのか、目線の位置から撮影するのか、低い位置から撮影するのかで、同じサイズであっても全く違った印象を与えます。
撮影するアングルによって、伝わる印象が違ってきますので、何を伝えたいのかを考えて、それに最適なアングルを選択することで、よりメッセージが伝わる動画にすることができます。
これは、様々なパターンを実際に試していくことが大切になりますので、撮影の練習をしながら経験値として蓄積していってください。
3:被写体を配置する位置
次に被写体を配置する位置について解説します。
ここでは、動画初心者におすすめの基本となる
- 日の丸構図
- 三分割構図
この2つを解説します。
3-1:日の丸構図
まず1つ目は、日の丸構図です。
日本の国旗のように中央に被写体を配置します。
これは、被写体の存在感を強く出せる為、ハッキリしたメッセージが伝わりやすい構図です。
1秒にも満たないカットを次々と切り替える場合でも、中央に被写体を配置しているので、視聴者は一瞬でメッセージを受け取ることができます。
3-2:三分割構図
2つ目は、三分割構図です。
これはグリッドの交点やライン上に被写体を配置する構図です。
適度なスペースが生まれ、バランス良くなります。
映画などで頻繁に使われる構図です。
ポイントは、被写体の視線の先にスペースをとることです。
例えば、歩いているカットでは、進行方向にスペースを広く空けるようにします。そうすると、バランスが良くなります。
反対に、被写体の後方にスペースが広く空いてしまうとバランスが悪くなってしまいます。
この2つの構図を安定して撮るスキルを身につけると、動画のクオリティーが確実にワンランクアップします。
5:カメラワークの基礎
次にカメラワークの基礎について解説します。
カメラワークとは、カメラをどのように動かして被写体を撮影するのか…という撮影技法のことを言います。
動画と写真の大きな違いは、動きを表現できるか否かの違いです。
ここで解説するカメラワークの基礎を身につけることで、映像表現の幅が広がりワンランク上の映像作品にすることができるようになります。
今後、映像制作をしていく上でとても大切なスキルとなりますので、まずは動画を見て、それから実際に練習を繰り返して安定して撮影できるように身につけてください。
ここでは、8つの基本的なカメラワークを解説していきます。
それでは、始めていきます。
1:FIX(フィックス)
1つ目のカメラワークは、FIXです。
FIXは、カメラを固定して動かさずに撮影します。
三脚に固定して撮影すると、手ぶれがない安定した映像を撮ることができます。
FIXは、動画撮影で基本となるカメラワークで、最も見やすい映像に仕上げることができます。
これから色々なカメラワークを解説していきますが、カメラワークを覚えると必要以上にカメラを動かしてしまう人が多くいます。
カメラを動かすと、表現方法のバリエーションを増やすことができるのですが、やりすぎてしまい「見にくい動画」になってしまったら元も子もないので、注意しなければなりません。
例えば…学校の授業や研修、この動画もそうなのですが、知識を提供し理解してもらうことを目的にした動画の場合は見やすい動画にすることが大切です。
なので、カメラを動かすのではなくFIXで撮影するのがベストなカメラワークになります。
動画を撮影する時は、どんな目的なのかを明確にして、それが一番伝わる表現方法にすることが大切になります。
2:PAN
2つ目のカメラワークは、PANです。
PANは、カメラの角度を水平に動かします。
横に長い被写体や水平方向へ動く被写体を撮影するのに適したカメラワークです。
手持ちでは、カメラを振る反対の足を少し前に出し体ごと回ります。
右に回る時は左足を前に出し、腰を軸にして回転します。
この時、カメラは正面に構えたまま足を動かさずに腰を回転させるイメージです。
3:TILT
3つ目のカメラワークは、TILTです。
TILTは、カメラの角度を垂直に動かします。
PANは水平だったのに対し、TILTは垂直です。
縦に長い木やビルなどを撮影するのに適したカメラワークです。
下から上に振ることをティルトアップ、上から下に振ることをティルトダウンと呼びます。
手持ちで撮影する時は、基本姿勢から、猫背になり、背筋を伸ばしていくとティルトアップができます。
背筋を伸ばした状態から猫背になるとティルトダウンになります。
4:スライド
4つ目のカメラワークは、スライドです。
パンやティルトに似ているのですが、スライドは、カメラの角度は変えずに水平、垂直に移動します。
横スライドの場合…基本姿勢よりもスタンスを広く取ります。
どちらかの足に重心を乗せ、腰の高さが変わらないように水平を維持したまま徐々に反対の足に重心を移動させます。
左から右へスライドさせたい時は、左足重心から右足重心にしていきます。
この時、カメラは正面に構えたまま固定します。
縦スライドの場合…基本姿勢よりも若干、前後に広く取りバランスを崩さないようにします。
膝を曲げ、しゃがんだ状態から膝を伸ばします。
屈伸運動の動きです。
この時、カメラは正面に構えたまま固定します。
5:ZOOM
5つ目のカメラワークは、ZOOMです。
ZOOMは、カメラの位置を変えずに焦点距離を変えるカメラワークです。
被写体に寄ることをズームイン、被写体から離れ広角を映すことをズームアウトと呼びます。
瞬時に一箇所に注目してほしい時はズームインを使用し、広域を見せたい時はズームアウトを使用します。
ズームをする時は、最初に止める位置をしっかりと決めると良いです。
寄り過ぎたり、広げ過ぎた場合に戻すと、酔ってしまいますので、ピタッと止める練習をするようにしましょう。
6:TRAC
6つ目のカメラワークは、TRACです。
TRACは、被写体と一定の距離を保ちながら動きを追うカメラワークです。
ここまでのカメラワークとは違い、撮影者自身も動くので、臨場感が出ます。
手ブレの主な原因は動くことですので、動きながら撮影するTRACは、手ブレが入りやすくなります。
ですのでジンバル歩きで撮影するようにします。
手ブレを完全に無くしたい場合は、ジンバルを使うことをお勧めします。
7:DOLLY
7つ目のカメラワークは、DOLLYです。
DOLLYとは、カメラを水平移動させるカメラワークです。
前進して被写体に近づくことをドリーイン、後退して被写体から遠ざかることをドリーアウトと呼びます。
ズームとは違い、実際に近づいたり遠ざかったりする為、迫力が出て臨場感が出ます。
映画では台車を使い滑らかな動きにするのですが、ジンバルを使えば滑らかな動きにできます。
トラック同様、これも撮影者が動くので手ぶれに注意しながらジンバル歩きをして撮影します。
ドリーアウトは、後ろ歩きでの撮影になりますので、広くて段差がない公園などで練習するようにしましょう。
8:ARC
8つ目のカメラワークは、ARCです。
これは、被写体の周りを回りながら撮影するカメラワークです。
被写体を軸にコンパスで円を描くように回ります。
オービットとかサークルとかスピンとか旋回とも呼ばれるカメラワークです。
被写体の周囲を常に捉えながらも周囲が変化していくので、普段は目にしないような不思議な感覚を与えることができます。
これもトラックやドリーと同様、撮影者自身が動いて撮影しますので、手ぶれに注意が必要です。
アークは、被写体を中心に円をイメージします。
まとめ
はい、いかがでしたでしょうか?
この動画では動画撮影の基礎を解説しました。
動画初心者の方にとっては聞きなれない言葉が出てきて難しく感じた部分もあったかと思いますが、分からないところを繰り返し見れるようにコメント欄に目次を貼っておきますので、チャンネル登録して何度も見ていただきたいと思っています。
それと、公式LINEに登録していただくと…Log撮影をした映像を一瞬でシネマティックにするLUTをプレゼントしております。
3つのパターンのLUTをご用意していて簡単に映画のようなカラーにできますので、興味のある方はこちらからページをご覧ください。
この動画は以上です。
それでは、また次回!
この記事へのコメントはありません。